2005年05月21日

日本人が趣味に生きるのは20年早い

とあるメディアで、一般視聴者からの応募作品を選別する仕事をしていたことがある。詳しくは言えないが、かなり規模は大きいものだし、応募作品も俳句とかそのような手ごろ(笑)ものではなく、完成させるにはかなりの時間と集中力とエネルギーが必要となるものだと言っておく。

応募作品には住所氏名年齢とともに彼等の職業も記されていた。職種は様々で、硬いものから軟らかいものまで、いろんな仕事の人々が応募してきていた。個人情報がうるさい昨今であるから詳細は書かないが、仕事や職種は本当に多種多様だった。

まぁ一番多いのは「フリーター」だったんだが(大爆笑)。いろんな人が応募してくるもんだなあ、といつも感心しながら作業に当たっていたのだ。


最近いろんな事件事故が多いね。それでふと思い出したんだけど、その応募してくる人たち。

本業は大丈夫なのか???


要らぬお世話ですけどね。ちょっと気になったんだよ。


いつも思ってたんだけど、今の日本て(職種によるけど)休日多すぎると思う。もちろん休みなしで残業三昧ざけんな!って人も多いけど(実際たくさん知ってます)、かたやものすごく休んでる人もいると思う。だいたい休日法とか何とかで祝日が倍くらいに増えてるしさ。バカンス(長期休暇)は昔よりは全然充実してるだろうな。だからこそアウトドアとか娯楽品も売れてたんだろうし。


日本は高度成長で世界でも例を見ないほどのシステムを構築した(んだよね?)。世界一安全と言われ、世界一勤勉と言われ、世界一几帳面と言われ、世界一頭イイと言われ、水と空気はタダだと思ってると言われ。

しかしその素晴らしい日本式システムっつのは、高度成長期に先輩の皆様が一生懸命汗水たらしつつ休む間もなく働き続けた結果出来上がったものだったんじゃないか、と最近思っているのよね。団塊エイジの方々の人海戦術も大きかったろう。

素晴らしく理想的なシステムだけど、あまりに理想的であるが故、維持するのも実は大変なんじゃないか。その維持にも、作り上げたときと同じような労力と人が必要なんじゃないか。


最初に書いた応募の話に戻るけど、確かにいろんな職種があったんだが、たとえば社長とかね、大企業の人とかさ、そんな人は居なかったのよ。オレの見過ごしでなければ、恐らく一人も居なかったはず。それって、その対象に興味がないということももちろんあると思うけど、本業で精一杯 or 十分ってコトなんじゃないか、と。最近思ったのね。


あんまり根拠もなく決め付けられないので、このオレの意見も「話1/10」くらいで聞いて欲しいんだけど、かつて作り上げたジャパンシステムを維持するには、今の状態では人も時間も足りないんだろう、と。むしろ、原因はそれだけなんじゃないのか、と。

人はどんどんリストラされて合理化だし、たった一人が膨大な仕事量を抱えている。
かたや別な人はというと、休みごとにどこか出かけたり、趣味に没頭したり、何か作品を応募するため熱心に製作したり、そんなことに時間を費やしてるわけさ。それじゃ追いつかないはずだわな。

例えばオレなんかも、仕事のことは1年中24時間考え続けているよ。そうじゃなきゃ出来ないから。まぁ、オレは力不足なだけでもあるんだが、何か作ったり書いたりするような人はみんな多かれ少なかれそうでしょう。もちろん遊んだりもするけども、それすら仕事のためであり、その最中も考えが止まることは決してない。

でもかつての日本人ってそうやって暮らしてたんじゃないかな、そうじゃなきゃ戦後にこんなんならないでしょう、と。最近思うのよね。

欧米の考えやスタイルについて、日本では「バカンスや趣味に時間とエネルギーを割き、実に羨ましいライフスタイルだ」というような言われ方で取り入れられていたフシがある。実際の当時を知らないから断言は出来ないけど、昭和30年代頃の映画テレビ文化なんてみんなそうじゃない?

もちろんそれは素晴らしいし良いことだと思うけど(?)、それが日本で本当の意味での実現を見るのは、もうちょっとあとになるんじゃないかな。それ用にシステムが落ち着いてから。
足りない時間や人でも動けるようなシステムになり、誰もが余裕を持ち、無駄に焦ったりしないようになってから。

そういう意味で今の30代以前くらいの人たちにオレは期待してるんだよね。彼等はたぶん両立させるシステムを作れるだろう。この予想には特に根拠があるわけでもないのだが(笑)、彼等を見ているとそんな気がするのよね。世の中が変わり、自動的にそうなってしまうということもあると思うけどね。だからオレは彼等への注視を続けるわけで。

いくら優れていても恐竜は滅びる。識者から3流ロッカーまで(笑)みんなが言ってたことだけど、それは、近代文明が、ということではなくて、高度成長〜バブル時代のポンプなシステムが壊れるってことかもしれないね。

ロバート・フリップ先生御用達の「小さく独立していて身軽な個体」てやつですな(理想)。

フリップ先生に関してはまた改めていろいろ書いてみたいが、まぁともかく、近い将来訪れる筈の「崩壊」には備えておいても損はしないでしょうね。

みなさんがんばりましょう。
marcomusi at 07:33 | 東京 ☁ | Comment(3) | TrackBack(0) | 雑記
この記事へのコメント
先だっては唐突なコメントにレスくださってありがとうございました。本当にブログにはまっている人は多いようですね(私などは仕事が忙しくてとても自分のブログなぞ始められないです)。この人、サラリーマンのようだけれど、本当にいつ仕事しているんだろって人、多いです。そういう事が出来るうちはそれでいいと思いますが。世の中の人のすべてが、仕事=人生ではないんですから。ところで本題です。そういう「作品」だの「表現」だのに関わるときに問題になるのは「職業」なんかではないのでは、と思います。ブログを見てると生半可なプロよりも面白い文章を書く人もたまに見かけます。もちろん大多数の素人はそういったレベルには達していないでしょうけれど。要は本人の才能と「こころざし」の問題だと思うのです。…もっとも最近はそうした「こころざし」は必ずしも読者と共有できるとは限らないようですが。ベストセラーなどを見ると、中身のなさを競っているかのようで、読者と筆者の気色悪い共犯関係が成立しています。ミュージシャン崩れで元アイドルと結婚した角川お抱えの作家とか…って話が違ってきましたね。失礼いたしました。
Posted by 050523 at 2005年05月23日 16:33
失礼ついでにもうひとつ。高度成長の夢を見られた世代というのはある意味、幸福だったと思います。働く事=生活・社会が豊かになっていく、という明快なビジョンに安住していられたわけですから。今の若い連中には個人的なビジョンしかありません。唯一あった就職という社会からの要請さえも長引く不況で途絶えてしまっています。何を寄る辺に生きるべきかわからない世代です。そういう連中が趣味に走るのは、これは仕様のないことです。願わくばその趣味のセンスが良くあって欲しいと思うのみです。私はmarcomusiさんと違って、下の世代が何か素晴らしいシステムを作れるとは思えません。総体としての彼らも私たちの上の世代や私たちの世代とそう変わらないでしょう。ただ時代状況に対するリアクションが違うだけだという気がします。たぶんこの先、日本経済はある程度崩壊するでしょう。その時に人々は何を寄る辺に生きるかというと、やはり趣味とかささやかな楽しみなんじゃないでしょうか。なんだかとても寂しい気分になります。嗚呼、生きるって何でしょうか?
Posted by 050523 at 2005年05月23日 17:16
いろいろありがとうございます。

この記事は自分でも「突っ込みどころばかりだが意図は判ってもらえるだろう」と思いながら書いてました。いろんなご意見はこちらも勉強になるし、ありがたいです。

>下の世代が何か素晴らしいシステムを作れるとは思えません。

これなんですが、作るというより「慣れてくる」とか「自然にそうなってくる」といった感じに近いかもしれません。

これまで長年生きてきて、いろんなもののスタンダードな姿が変わってくるのをみました。それは今思うと、誰かが「積極的に変えた」というよりは、世代別人口比率が変わって自然にそうなったという感じなのです。
そんな経験から、今の30代以下の世代が比率として増えてくると、自ずとスタンダードも変わるだろうな、という感じがする、という印象なんです。

こうなると結局、堀江氏とは反対で「相手が死ぬのをゆっくり待っている」という感覚ですね。みんな自分がかわいいしメンドクサイので、相手が弱って消えてゆくのをじっくり待っているんでしょうね。そんな感じを受けます。

趣味はもちろん良いことなんですが、やっぱり本業ありきなんですよね。もちろんこれは職種や個人個人の感覚によるのです。趣味に没頭しても弊害がない、仕事に影響がないというならば、どんどんやればいいと思います。趣味や余暇がない人生なんて味気ないですからね。

具体的職業をここで書けないのが歯痒いんですが、あきらかに「オマエ本業は大丈夫なのかよ?」って人が居るんですよ。よくニュースで登場してくる職種だと思っていただけると良いと思います。恐らくこの系列の人たちは、職場でも「余剰」なのかもしれません。職場で居場所がないのかどうか知りませんが、その持て余した時間を「自分探し」と称して趣味に回すのはどうかと思うのです。しかしそれはその個人の問題ではなく、その職場のシステムがいかに疲弊しているかということの表れだという気もします。

いろいろゴチャゴチャ書いてしまいました。キツイのはあと10年くらいかな。それを乗り越えるまでお互い頑張りましょう(笑
Posted by marcms at 2005年05月24日 07:33
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