2005年03月20日

メディアを刺激するネット

以前ご紹介した、レッド・ツェッペリン・ライブツアー研究サイト Led Zeppelin / Burn That Cadle 管理人の友人が「おもしろい本があるぞ」と、また こんなもの を教えてくれました。早速立ち読みしてきたんですが、レビューはそこそこでしたけど、写真など資料系の掲載が多く、総合的にはまあまあボリュームのある内容でしたね。ネットでは Burn That Cadle のパクリじゃないか、なんて言ってる人も居ましたが、そのような感じも確かに散見されましたけども、こういう動きが出てきたこと自体は良いことなんじゃないかと思います。友人も特に怒ってはいないようでした。

その前回の記事でも書いたことですが、このようにネット上で濃い情報を流す人が増え、リスナーや消費者のレベルを上げてゆき、結果的にメディア自体のレベルを上げてゆく、という理想が、ある程度現実になってきているな、という実感です。前回「パクリ?本」第一弾として例に出した S氏の書籍は自費出版でしたし、影響度もそれほどではなかったように思いますが、メジャー出版社が出すとなるとまた重みも変わってきますね。今回紹介する本ではライターさんも複数いらっしゃるようです。多少なりともネット上のサイトが刺激となって、ライターさんや出版社を奮起させたのなら、存在した意味もあったということではないでしょうか。
友人のサイトと今回の書籍との間で、考察が異なっている点もいくつかありました(というより全体的に対抗する意見に多くの字数を費やしているように見えるのは気のせい?笑)。たくさんの見方があってそれぞれの見解がある。消費者はたくさんの情報の中から自分が正しいと思ったものを選べば良いわけです。情報のオープンソース化っていうか。とっても健全なことだと思うんですね。ですので今後もどんどん、いろんな人がいろんなことを言うべきだろう、と。

ただ、これも前回書いたことですが、書籍化によって情報が有料になり受け手を限定してしまう、という問題も現実化しました。例えば今回の書籍。3,150円ですよ。しかもたった2年分の考察で、です。サイトのほうは9年分で無償ですね。これはけっこう厳しいんじゃないかなあ。
それ以外にも、前回ご紹介したバイブル「コンサート・ファイル」もありますし、その世界では有名な竹本氏の超分析本Boot Poisoning」など強力なライバル誌の存在もあります。これらを超えるのは非常に難しいといえるでしょう。今回の本も今後 2、3…と続編が出るんだろうけど、そこまでして揃えていく人が果たしているかどうか…。その価値がある、と判断した人だけ買うことになるでしょうね。少なくとも万人に薦められるものではないような気がする。
あとはそれに関連してですが、商業誌ということで営業上のしがらみもやはり多少は発生すると思うのですよ。フェアでフラットな分析を最後まで続けていけるのか。その辺も生温く見守って行きたいところです。
しかし、まずは突破ですよ。これからがんばっていただければそれで良いんだと思う。良い形になっていくことを願っていますが、さて。

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-追記-
また2chスレッド本が出版されるようです(電車男の時刻表さんより)。いい意味での刺激は活性化にも良いと思いますが、安易なコピペで、しかも企画も二番煎じっていうのはなあ。そう考えると、まだ音楽関連出版界のほうがクリエイティヴィティがあるだけマシ、ってことなんでしょうかね。
この記事へのコメント
トラバありがとうございます。

私の書いたブログの一文では、
あの状態でも文字数がかなり多くなったため
「プロより詳しくて深いアマの考察の価値」について
充分に触れられませんでした。

あの文章だけではまるで「アマは書くな」と
言いたいかのように誤読されそうなので
その辺に触れるために続編も考えています。

こちらのブログ、大変興味深い内容です。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by 松岡美樹 at 2005年03月27日 02:27
ありがとうございます。
いろいろ自分の書いた文を見返していたのですが
この件については堀江氏に関連しても、
いろいろ書いていたようですね。忘れてました。
http://marcomusi-blog.seesaa.net/article/2022209.html
マニアやコレクターの方々の情報が濃いのは
昔からのことだと思うのですが
以前は本を出すくらいしか知らせる方法がなかったので
表に出ていなかっただけだと思います。

ネット上の情報はピンキリで取捨選択しなくてはなりませんが
そのおかげで目や耳も肥えてゆくと思うのです。

オレが話題に取り上げてるのは主に音楽関連なので
その情報の本質にのみ価値があるという極論になりますが
きちんと推敲されたプロの文章は、それはそれで
素晴らしくアーティスティックだと思います。
ですが、本や文として体裁が整っていれば
そこに書かれている情報も正しいものである、
という常識は崩れていくとも思うのです。

情報提供者としてのプロと文章書きとしてのプロが
両者揃ったときに名著みたいなものが生まれるのでしょうね。
そういう時代が来ることを心から願っています。

いろいろありがとうございました。
こちらこそ今後ともよろしくお願いします。
Posted by marcomusi at 2005年03月28日 07:31
はじめまして。高田と申します。トラックバックをありがとうございました。

刺激的なエントリがたくさんあって、おぉ、、と思ってしまいました。時間をかけて、ゆっくり読ませていただきます。

これからもどうぞよろしくお願いします。
Posted by 高田昌幸 at 2005年04月14日 02:38
コメントありがとうございます。

ありきたりな言い方ですが、いろんな方々がいろんな意見を言って良くなってゆく。健全な姿ですよね。ネットが風穴を開けたともいえるのかもしれません。

これからもよろしくです。
今後も鋭い視点期待しております。
Posted by marcomusi at 2005年04月14日 06:07
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