2005年02月25日

ライブドア・堀江貴文社長という人 2

その後いろいろ感じたことがあったので、長くなりそうですがまた書いてみたいと思います。

先日紹介した江川紹子氏によるインタビューですが、堀江氏の真意が彼女に上手く伝わっていないようだ、というtsuruaki_yukawaさんの指摘があっていろいろ調べてみました。こちらを読ませていただく限りでは実際そのとおりだと思われます(tsuruaki_yukawaさんありがとうございました)。

やはり堀江氏の考えは、オレの思うことと大変似ています。しかも hotarunoheyaさんの情報 によると、堀江氏は父親による暴力を幼少時に受けており、それが今の性格形成に繋がっているということで、なんとこれも一致していますね。驚いてしまいました…。

前回の記事 でオレは、自分自身の考えを推し進めて行くとどういう人間になっていくのか、堀江氏のインタビューでそれを現実に突きつけられ、怖くなったと書きました。今でもその気持ちは変わらないですが、やはり彼を完全否定はできないのです。

会社は人で動いている、堀江氏がニッポン放送を手に入れたら従業員はほとんど辞めてしまい、放送局はただの箱になってしまうだろう、と、誰かがテレビで述べているのを聞きました。貸しスタジオと一緒だ、と。
放送というのは芸能の部分もあって、巧みな喋り、素晴らしい歌や芝居やダンス、脚本、演出家といった、所謂持ち芸が素晴らしい人だけではなく、音声さんとかミキサーさんとかカメラさん照明さんとか、それぞれの分野でプロである方々が素晴らしい技術を持ち寄る。それらの総合体が作品となるんだと思います。メディアでもあるが創り手でもある、と。そう考えると、そもそもメディアに平等とか平均とか有り得ないんじゃないか、と思いますが。どうなんでしょうね。
最近は番組制作の外注とかも多いですが、メディアということを考えるならば、そっちのほうが本来の姿じゃないか、という気さえしてきます。メディア側が情報の発信でもあると同時に創り手でもあるというのは複雑で判りにくいし、紛らわしくもあると思います。よく週刊誌等の真ん中辺りにある、2ページほどの記事に見せかけた広告がありますね。ああいうのと一緒で、どれが本当なのかわからない、実は本当のことなどまったくないのではないか?という疑念さえ浮かんできます。結局「デパートの大食堂」ってことなんでしょうね。

堀江氏のやりたいことは合法的闇市みたいなことなのかもしれません。場所をやるからおまえら好き勝手にやってみろ、流行るか流行らないかは客しだいだぞ、と。そういうことなら理解は出来る。

さて、そこで問題なのはライブドア(堀江氏)の提供する場所でいいのか?ってこと。

オレはメモライズ事件を今も忘れていません。何度もしつこいようですが、やっぱりあれは典型的な例だと思うのです。自分は「経堂駅前(笑)」にお店を出していたつもりだったのが、いきなり「今日からここは歌舞伎町です」と言われたようなものでした。それほど、ライブドアのポータルの印象は酷いものだったのです。エログや宣伝が溢れるなど、無法地帯然と化していました。
コンテンツをかたっぱしからゲットするのは良いが、その維持をしない、という問題もありました。どうなってるの?と何度訊いても会社側の誰も返答しない、とか、本当に大変でしたね。

テレビで堀江氏を見ていて気になる点があるのです。それは彼が常にイライラしているということ。自分も経験があるので判るのですが、ああいう育てられ方をしているとああいった性格になるんですね(父親の件)。
これは橋本龍太郎(元)首相を見ても思うのですが、メディアに出てイライラしている人はダメです。これは申し開きの余地なし。たとえメディアが恣意的にその部分だけを編集していたとしてもダメなものはダメ。イライラしているトップの下ではろくな人間が育たないからです。これは他ならぬ堀江氏自身が証明していますね。彼の父親がそうだったから彼もそうなのでしょう。ちなみにオレもそうでした(今もその気はありますが、だいぶ自重はするようになった)。
しかも、そんな性格ゆえか、江川氏のインタビュー等でも判るとおり、まったく彼の意思が他者に伝わっていません。というか、伝える気がないのでしょうね。判るように話さないのに、判れと言うのも無理な話ですが、追い込むと面白いキャラなのでインタビューする側も煽っているのもあるのでしょうね。この辺はショーケン(萩原健一氏)のインタビューを彷彿とさせます。

ということで、ライブドア或いは堀江氏のアイディアは同意できるけれども、彼の下ではそれをしたくない、というのがオレの考えですね。堀江氏が嫌い、というほどでもないのですが、オレがメモライズ事件でとっと撤退したことでも判るとおり、ライブドアの下ではメモライズ時代の自分のキャラを活かせないだろうという判断です。著作権問題 等でも今ひとつしっくり来ない部分があるし、安心して身を任せられる場所ではないというトータルな印象もあります。それが気にならない人や向いていると感じた人は、そのまま残れば良いでしょう。

今までの社会では、自分のやりたいことを実現するためには政治力のようなものも必要でした。素晴らしい(と自分が思う)コンテンツを創るだけではダメで、嫌な相手に「お願いします」と頭を下げたり、根回しをしたり、それを売り歩いたり営業する能力も必要だったのです。それは中間にメディアというのものがあるからですね。直接リスナーやユーザに届けることが難しいのです。例えば、どんなに良い音楽でも、まず最初にレコード会社を説得しなければなりません。ディレクターやプロデューサの熱意によって生まれたり世の中に知られた音楽はたくさんありますが、逆に彼等に取り上げられなかったため、知られることもなく消えていった音楽もたくさんあることでしょう。本当なら、それを選ぶのはリスナーや消費者であるはずです。今ならそれが可能になるのではないか。それはオレも思います。
もちろんレコード会社も不要ということではなくて、レコード会社も(堀江氏の言うところの)市民記者も同様に同じフィールドでレコメンドすれば良いのです。消費者がレコード会社の推す音楽のほうを良いと思ったら、それを買うでしょう。
しかし、良いコンテンツは組織が創るという部分もあって、良い組織には良い人も集まっていますから、結局プロの作るプロらしいコンテンツは、大きい組織のほうが生みやすいだろうとは思います。これは前述した「芸能」という部分に繋がってきますね。


というわけで、ゴチャゴチャ書いてきました。

依然、株問題も結論は出ていませんが、どっちに転ぶにせよ、この事件がメディア問題を深く考えさせる大きなきっかけになったのは事実です。堀江氏が行ったことの一番大きな意味というのは、実はそれなんじゃないのか。それだけだったりする可能性もあるかも。きっかけは〜ライブドア♪

思い返せば80年代のフジテレビもこんな感じだった。既存のテレビというものに疑問を投げかけてスタイルを変えてしまった(とオレは思っている)。

時代は変わる。皮肉なものです。


-追記-
フジテレビ社長曰く「事実だけを冷静に伝えるべきだと思っている」!
え〜と…。笑うところ?
この記事へのコメント
はじめまして。
「できるだけごまかさないで考えてみる」さんからTBをたどってきました。
ほりえもん論に共感いたしましたので、厚かましくTBさせてもらいました。
私の場合はほりえもん氏の人間性自体よりも、彼のキャラクターが世間にどのように受け入れられているか(あるいは反発されるか)をネタとして観察しているので、真剣に考えておられるマルコムシさんから怒られるかもしれません。
評価はいろいろとありますが、ほりえもん氏が高いスター性を持っていることは否定できないと思っています。
Posted by 玄倉川 at 2005年02月26日 00:51
ありがとうございます。
六本木ラブストーリーおもしろかったです。

自分も半分ネタのような感じで
ウォッチングしてる部分もありますし
むしろその為に、ライブドアとは
直接係わらないようにしてきたところもあるかも。

自分が間違っているはずがない、
間違ってないから受け入れられないはずがない、
というのも、こういう教育を受けた人の特徴です。
オレ自身もまさにそうでしたから。
今振り返ると恥ずかしいんですけど
無理にでも、そう思い込むことで
自分自身を支えているところもありますからね。

その辺は、元祖オレ流?である
落合さんとかのイメージとはちょっと違いますね。
落合さんは無理してる感じがあまり見えません。

おもしろいですね。
Posted by marcomusi at 2005年02月26日 08:47
> 自分が間違っているはずがない、
> 間違ってないから受け入れられないはずがない、
> というのも、こういう教育を受けた人の特徴です。

いつも自分に自信が持てない私のような人間としては、ほりえもんやキムタクのようないかにも自身ありげな人はかなり羨ましいです。ですが、自信に満ち溢れているように見える人が本当に強い自信の持ち主とは限りませんよね。
もしも彼らが自分をだまして虚勢を張っているのなら悲しいことだと思います。
いや、こんなのは下衆の勘繰り、ただのルサンチマンなのでしょう。
私も頑張って自分の生き方を静かな自信を持って人に語れる(熱く語るのではなく)ようになりたいものです。
Posted by 玄倉川 at 2005年02月27日 00:34
トラックバックありがとうございました。
ホリえもん氏については・・・
「あれはあれでいいけど、周りが同調したらまずいだろ」と思っている今日この頃です。
というわけで、それ関連のTB送りますね。

>玄倉川さん
六本木ラブストーリー読みました(w
ちなみに雪斎さんのところからです。
おもしろかったですよ♪
Posted by とーます at 2005年02月28日 22:14
ありがとうございます。

オレは堀江氏みたいなことをやる人が
他に出てきてほしいです笑
Posted by marcomusi at 2005年03月02日 08:41
世界に一つの政府を創りたいという貴方の思いを
細木数子氏とのテレビ番組で聞きました、
今回の広島からの立候補もそのスタートになることを願っています
Posted by 白土允之 at 2005年08月22日 07:24
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