2005年02月17日

いらっしゃいませ、こんばんは。

☆記事執筆から4年後に奇跡の復活!
http://maicou.tumblr.com/post/168684301



オリジナル文は以下です(同じですが)。



ファミレスから始まったと思われるこの言葉が、いつの間にかコンビニから屋台のグッズ販売まで使われるようになってしまった。オレはかろうじて、この「いらっしゃいませ、こんばんは」をバイトで使用できた世代。というか、ホテル業を辞めて一時的にコンビニバイトに戻ったときに、それ以前は使われていなかった「いらっしゃいませ、こんばんは」が普通に使われているのを知って驚いたのだった。
この、妙に半端にまとわりつく、押し付けがましいフレンドリーさは一体なんだろう?コンビニにそんなものは必要なのだろうか?と思って正直かなり戸惑った(普通にいらっしゃいませではダメなのか?)。
結局オレは、そのコンビニで「いらっしゃいませ、こんばんは」と言えず、程なくバイトを辞めた。ホテルで接客業を鍛えられたオレにとっては、相当な挫折感があったね。

街の商店街や駄菓子屋が消えつつあるといって嘆いている人々がいるけれど、オレはこの手のお店が昔から大嫌いだった。昔というのは子供時代。そういう店の大人は大概、子供には邪険だったし、よく騙されもした。オレは昔からオタク的面があって、まったく大人にかわいがられない子供だった。店主の半端な知識には屈しなかったし、提携の関係などで特定のメーカーを薦られることにも、半端じゃない嫌悪感があった。小売店の店主は、決して本当のことは言わない、大ぼら吹きで大嘘つきだ、という印象が今でもオレの中では根強い。
コンビニや大型チェーン店が増え、売られる商品数も増え、商品についての情報も多くなり、消費者は自分の目や耳や考えで、多数のアイテムから自分自身で商品を選べるようになった。素晴らしいことだ、と思った。

10年ほど前、家の近所に吉野家が出来た。吉牛マニアであるオレは当然足繁く通ったわけだが、どうも他の吉野家と比べると違和感があることに気付く。そこのアルバイト店員が妙にフレンドリーなのだ。Not Found氏ではないが、吉野家というのは殺伐としていてなんぼ。フレンドリーな吉野家がこんなに居づらいものだとは思わなかった。
この話を友人にしたら、やはり彼も同じようなことを思っていた。「そうそう!なんか話しかけてきたり、フレンドリーにいらっしゃいませ〜とか言われてウザいんだよね」と盛り上がった。

接客業にはランクがあると思ってたし、今でも思っている。やっぱり最高峰は超高級ホテルということになるんだろうし、超高級レストランもそうだろう。マニュアルもしっかりしてるが、やはり「人」がコンテンツなのだ。プロの接客業の方は本当にすごいと思う。
「いらっしゃいませ、こんばんは」というのは、オレ個人はファミレスで聴いたのが初めだった。この、妙に胡散臭い親近感はなんだろう、と当初は思ったが、これがファミレスってもんだろう、と納得もした。この接客マニュアルは高級ホテルやレストランのパロディなのだ。
「東京ディズニーランド(TDL)」の開園で、来客者は「ゲスト」であるという考え方が登場、それまでの「ただ遊びに来た観光客」という考え方が変化してきた。対抗する遊園地はどこもこの方式を取り入れ、瞬く間に日本全国に広がってしまった。これも、本家であるTDL以外の遊園地の接客はTDLのパロディであると捉えてもいいだろう。

物を創ったり書いたりする商売をやっていると、時には他人がウザいと思うこともある。いろいろ考えを練っていることもある。そういうときに殺伐とした吉野家やファミレス、ファストフードなんかでボーっとしているのは実に癒されるのだ。誰にも構われていない快感、とでも言うのだろうか。
これがどこに行っても「いらっしゃい、こんちはー」とか、「今日は美味いのあるよ〜ニイチャン」とか、「味加減はいかがでらっしゃいますか」とか言われた日には疲れてしょうがないではないか。人には放っておいてほしいときもあるのだ。放っておくのも接客、なのだ。
「いらっしゃいませ、こんばんは」がコンビニにも浸透した時点で、オレの「構われたくないときに行く場所リスト」からコンビニは脱落した。

オレは誘惑に弱く人に惑わされやすい人間なのだろう。そんなオレにとって、放置してくれる大型店やコンビニはとてもありがたい存在だった。街の商店街時代、小売店側に握られていた商品選択権のようなものが無くなり、消費者側が優位に立つことが出来たのだ。

誤解してほしくないが、昔ながらのものを全否定しているのではない。フレンドリーさの選択も自分でするってことが前提。人恋しくなったら(笑)自分自身の意思でそういう場所に足を運ぶだろう。つまり選択の余地を残しておいてほしいってことなのだ。

日本全国の店がすべて「いらっしゃいませ、こんばんは」にならないことを心から願う。




-追記-
参考にさせていただきました。

低コスト社会に必要な中小商店 R30::マーケティング社会時評さん
むかしのおかしのはなし つづき 一日一喝さん


-追記 その2-
ライブドア社長・堀江貴文氏によるメディア論との関連からカテゴリを変更しました。
この記事はこちらへと続きます。
http://marcomusi-blog.seesaa.net/article/2022209.html

-関連記事-
格差社会2いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」さんより)


NEW!!
接客マニュアルあんなこと、こんなこと。どんなこと? さんより)

「お客様は神様」におだてられてはいけない
★★こころのままにっき★★ さんより)


3年後の関連記事を追記w
嫌いなコンビニ店員 - はてな匿名ダイアリー
この記事へのコメント
 御参照ありがとうございます。
 オーストラリアに行ったとき、ホテルのカフェラウンジでレジの女性が「サンキ、ユー」という独特の切り方でお客を送り出していました。日本でも「ありがとう(いったん落ちる)ござい(声を張り上げる)ましたー」みたいな定型的イントネーションがありますよね。ドレラソソミソソシララー、とでも言いますか。まあそれが商売よ、と言ってしまえばそれまでですが。
Posted by 並河 at 2005年02月17日 11:21
コメントありがとうございます。

ホテルくらいだと、細かい言い方は
従業員それぞれに任されていて
よほど逸脱していない限り
個性が許されてるようですね。

意外ですがTDLも少々のアレンジはお目こぼしです。
だからやりがいも出てくるのだ、と
もとキャストの方が言っていましたね。

マック(マクド)は厳しいと聞きました。

「いらっしゃいませ」の後に「こんにちは」とか
付け加えるのは昔はマニュアルには無かったはずで
これも、最近話題になっている、
「コーヒーのほう」とか「コーヒーになります」とか
「コーヒーでよろしかったでしょうか」とか
「5000円からお預かりします」とか、
そういう妙な丁寧語と同じような発生起源ではないか、
と思っていますが、実際はどうなのかな。
Posted by marcomusi at 2005年02月18日 07:31
 私の知っている女性が、飲食店で服に飲み物をこぼされて、そのあと出てきた料理を「〜になります」と出されたものだから「なれるもんならなってみろ」と毒づいたのだそうです。あとで店長さんが出てきて、ごめんなさい料として飲食費は只になったそうですが。
 センター試験の監督が言う口上と順序は厳密に決まっていて、みんなぶつぶつ言いながら従っています。最近は私立大学が参加してきて、慣れていない先生が監督をやるようになりました。今年は試験時間が始まるまで名前や受験番号を書かせない(マークシート部分があって数分かかるので、入室時間から試験開始時間の間に書くよう指示するのが正しいルール)という大チョンボが発覚して新聞に載りましたね。あれは私立大学の会場でした。
Posted by 並河 at 2005年02月18日 18:46
そういえば内田春菊さんが
「コーヒーになるんですか。
じゃあ、今はコーヒーじゃないんですね?」
と絡んだという話がありました。
この話は80年代だと思うので、そうとう以前から
この手の言葉使いはあったということになりますね。

マニュアルどおりの喋りは、成り切れば快感です。
別人格になる感じで。
ロボットみたいに楽しんで話してました。
Posted by marcomusi at 2005年02月20日 08:00
ところで、この記事の主旨は
そこじゃないわけなんで。笑

もっとわかりやすいように書き直すか。
Posted by marcomusi at 2005年03月26日 23:00
TBありがとうございました。
変な言葉遣いはやめて欲しいですね。誰が作っているんでしょうか。
釣り銭を渡すときに手を握る最新バージョンは、セクハラなので止めてと声を大にしていいたいです。

Posted by さなえ at 2005年05月26日 12:33
コメントありがとうございます。

電車のつり革さえ嫌なのに、触れてくるってのは
気持ち悪いにも程がありますよね。やっぱり。

なんか、皆さんのいろんな話を聞くと
スタッフや店員の方々も実は寂しいんじゃないか?
という気がしてきました笑。

あちらも触れ合いたがっているということなら
それは態度も押し付けがましいくなるでしょう、と。
なるほどねー。

…って一人で感心してしまいました。
おもしろくなったので、ゆっくり考えてみますね。
またヨロシクデス。
Posted by mrcms at 2005年05月26日 21:54
ところで、この記事の主旨は
そこじゃないわけなんで。笑

ダメだなオレ…。
Posted by mrcms at 2005年06月21日 08:52
Posted by mrcms at 2008年09月19日 01:16
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/1981500

[食]立飲み
Excerpt: 夕食を外で食べることになってなんとなく立飲みへ 飲むというよりは小鉢でたくさん食べることができるのが利点 豆腐とサラダとマグロハンバーグと土手焼きにちょっと飲んで千円いかないし チェーン店なので雇..
Weblog: なまけごころを君に
Tracked: 2005-06-22 11:16
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。