というわけで本日ついに取り上げることにします。
まずはこのサイトをご覧ください。→ Led Zeppelin / Burn That Candle
このサイトはオレの友人が運営しているサイトで(注釈下)、そこそこアクセス数もあるようです。一応判らない方のために解説をしておきますが、Bootlegとは一般的には海賊盤(ブート)と呼ばれてるもので、アーティストのライブを会場で隠し録りしたものや、関係者から流れた未発売のデモテープなどを違法にCDとして発売しているものです。語源は禁酒法時代のアメリカの密造酒から来ています。
上記のサイトで取り上げられている「レッド・ツェッペリン」はブート業界でも1〜2を争うドル箱市場で、発売されているアイテム数も半端ではありません。当然、素人の消費者はどれを買っていいのか、聴いていいのか皆目判らない。そこで、その内容を解説してやろうじゃないか、というのがサイト開設の発端だったようです。
Zeppelinのブートは数も多いが、そのコレクター、マニアの数も半端ではありません。当然ブート解説サイトもネット上に多数あります。友人はそれらのサイトと差別化を図るため、CDごとの解説ではなく、ライブの日程どおりコンサートの内容解説にすることにしたんですね。
どのブートがオススメなのか迷う人にとっては、これはあまり役立ちませんが、どの日の演奏が良いの?という視点でブートを選ぶ人には助かるでしょう。ストーンズやZepは、音はいいけど演奏がひどいのとかザラですからね。
さて、やっと本題なんですが(笑)、友人がこのサイトを作ってから2年後の2004年、このサイトのアイディアをパクったと思われる書籍が発売されたのです。S氏著「Led Zeppelin Bootleg File」で、友人のサイトと同様、ブートをライブ日程順に並べコンサートの内容や感想を書いているものでした。
Zeppelinのライブ解説本というと、マニアにとっての超有名バイブル「コンサートファイル」があります。S氏の本は、その「コンサートファイル」と友人のサイトを折衷したような内容ということでした。
友人から話を聞き、オレも早速立ち読みしてみたのですが、書籍のタイトルこそ「コンサートファイル」→「Bootleg File」と折衷っぽかったものの、内容は友人のサイトのアイディアそのものって感じでしたね。もちろん記事の内容はS氏本人の言葉、目線で書かれていますが、全体から受ける印象は非常に似ていました。
笑ったのは、友人のサイトで使われている語句まで流用されていたことです。サイトを立ち上げる際に友人といろいろ話したので覚えているのですが、出来るだけ一般的に使われている言葉ではなくオリジナルな言葉を使用しようとか、マニア受けやウチワ受けでも構わないから、ニュアンスが伝わる表現を心がけようとか、ポリシーを語っていましたね。そうして誕生した友人独特な言い回しが、S氏の著作でもそのまま流用されていたのです。オレは立ち読みしながら笑いをこらえるのに必死でした。
さて、ネットに文章を公開する以上、その言葉が全世界に拡散してしまうのは覚悟のうえだし、むしろそうして広がってゆくことを望んでいる部分もある、と先日書いたわけですが(しつこい)、この場合は何に当たるのだろうか、と思いましたね。無関係の第三者による書籍化ですが、前述したように、文章や内容がまんまパクられたわけではないんですね。アイディアを「参考にされた」のです。今回は出来上がったものの完成度が一笑に付すようなレベルだったので看過できたように思いますが、もしそうでなかったら問題は深刻だったかもしれません。また今回のように、対象が具体的な文章などではなく「アイディア」だった場合どうなのか、ということも問題になると思います。
長くなりますが、もうひとつ書いておきます。この件で友人に確認したところ「ネット上に広く公開したのだから流用されても構わない、ただしネット上ならば」という答えが返ってきました。
ここで、昨日紹介した西村博之氏の見解を取り上げたいと思います。
情報は制限なく発信できて、受け取れるべきだと思ってます。
だから、そういう制限を加える気はまったくありません。
メディアにラインを引くことに意味があるとは思えないです。
という部分ですね。これはオレも大筋同意な感じですし、こと2ちゃんねるの場合はひろゆき氏が自分の考えるとおりそうすればいいと思いますが、個人レベルでは考えはいろいろあると思いますね。例えば友人のサイトの件だと、流用はネット上に限って欲しい、と述べていますね。これはオレも理解できる話なのですが、つまりネット上で無償で読めるものが、書籍化されると有料となってしまうってことです。
Zeppelinに限らずビートルズにせよなんにせよ、外国アーティストの研究本というのは概して非常に高価なのです。そのくせ内容が充実しているかといえば、必ずしもそうともいえないものも多々あります。
研究本が高価な価格設定のおかげで多くの人に読まれているとはいえない状況である、と。その結果、ほとんどの素人リスナーはその情報を受け取ることが出来ず、そこに壁が立ち塞がっている状況である、と。その情報が、ネット上で無償で受け取ることが出来るようになれば、多くの若年リスナー、素人リスナーの元にも濃い情報が届くようになり、結果的にリスナーの底辺が広がる、と。こう考えられると思います。
これはあくまで特殊な考えかもしれませんが、オレが自分のサイトでやっていることも同様なんですね。リスナーの基本レベルを上げて結果的にメディアのレベル向上を促す、というのがサイトをやっている理由のひとつなのです。
そういう意味では、ネットの立場から見ると書籍化によってメディアが広がるともいえますが、書籍化が情報を限定しているとも言えるような気がします。前述のひろゆき氏の見解も、毒男板に限って言えば当てはまるかもしれないですが、ネットのログの書籍化に反対する人の意見のなかには、書籍化による情報の限定、或いは有料化によって生まれる付加価値を嫌うものもある、と改めて言っておきたいと思います。
この辺は Blogの著作権問題 なども含めて、いろいろ意見があるかもしれませんが、とりあえず本日はこういうことにしておきます。
この記事の 続編 はこちらです。
- 追記 -
2chログの書籍化について がおもしろい展開になって来ています(Part2 になりました)。法的な問題でも踏み込まれてきていますね。
オレの個人的意見は先に記したとおりですが、あくまで「気分」の問題で強制力はありません。しかし法律的にも意味を持つとなるとまた変わってきます。みんなで声を出せば状況は動いてくるかもしれません。
さて。
2008年追記。
実は白状するが、確かに管理人は友人だったが、原稿のほぼ全てを書いたのは私である。上記の見解等も彼一人のものとしてここに書いたが、実際は二人で話したものである。その件に関してここでお詫びしておく。ただし、見解そのものは現在も変わりはない。なお現在(2008年以降)の管理は私が行なっている。

